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オガワコマドリは、アジアとヨーロッパの亜寒帯で繁殖する小型のツグミの仲間で、日本には冬にごく希にやってくる珍鳥です。
さて、今回はこの鳥の標本と名前(和名)の由来について書かれた文献をセットでご紹介しましょう。
鳥の名前のつけ方には特にこうしなさいという決まりはありませんが、例えばオオワシは「体が大きいワシ」、ハクセキレイは「体が白いセキレイ」、カッコウは「カッコウと聞こえる鳴き声」、ノビタキは「野原にいるヒタキ」といった、その鳥の大きさ・色・鳴き声・生息している場所などその鳥の特徴をあらわした名前が多いようです。因みにオガワコマドリの英語の名前はオスの喉が鮮やかな青色をしていることからBluethroat (青い喉)とつけられています。では、日本語の名前はどのようにしてつけられたのでしょうか。地名?人の名前?…?これはちょっと難しい。
この答えは、「動物学雑誌」第28巻(1916年・大正5年=写真)のなかにありました。
著者は黒田長禮(くろだ・ながみち)博士、現在の山階鳥研所長、黒田長久博士のお父様です。ここにその内容を簡単にご紹介しましょう。題名は「珍鳥ヲガハコマドリ」です。なお、原文のままではことばづかいが難しいので一部を現代のことばに置き換えました。 「故小川三紀氏が収集した鳥類の標本が現今動物学教室に保存してある。多数の重要な種類が含まれているが、その中に日本での唯一の珍鳥があることを発見した。私はこの標本を検査して、疑うことなく「エリサクス(注1)」属の標本であることを確認した。小川氏は成鳥雄と書いてあるが、私が調べたところでは成鳥雌の色に完全に一致した。
(学名)Erithacus cyaneculus caeruleulus(PALLAS)(注2).和名ヲガハコマドリ(新称)。…(中略)…我が国では昔に捕獲された報告はなく、小川氏が駿州(注3)にて採集したものが唯一羽あるのみ。恐らく迷って渡ってきたものだろう。…(後略)…。」
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