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出版されなかった第3巻以降の原画
当初、本書は第1〜3巻を旧北区の部、第4巻を東洋区の部、第5巻を豪州区の部としてそれぞれ出版する予定でした。ところが、第2次世界大戦の影響で、第1・2巻が出版されたのみで、本書は完成には至りませんでした。しかし、小林は未刊の巻について、すでに数点の版画の原画と原色図を描いていたのです。今回ご紹介したキジの原画もそのひとつです。なお、他の多くの原画はツバメの原画のようにペンで描かれていますが、このキジの画は墨で描かれています。山階鳥研には第1・2巻の原画の一部とともに、明らかに本書のために描いたと思われる、当時日本が委任統治を行っていた南洋諸島地域の鳥を描いた、原色図や版画の原画の一部が保管されています。
小林重三はまた、当時出版された様々な動物関係の本や雑誌に、鳥だけでなく、日本の哺乳動物やウマやウシ、ニワトリなどの家畜、セキセイインコやジュウシマツといった飼い鳥も描いています。同氏は日本の多くの動物の研究者に信頼された、当時を代表するいわば「売れっ子」の動物画家だったのではないでしょうか。 なお、画家小林重三についての詳しいことは、以下の参考資料をご覧ください。
(資料室図書担当 鶴見みや古=つるみ・みやこ)
山階鳥研NEWS1999年7月1日号(NO.124)より
参考資料
『鳥を描き続けた男 鳥類画家 小林重三』国松俊英著(1996年 晶文社発行)、『特別展図録 鳥類画家 小林重三』(1994年 平塚市博物館発行)
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