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Q&A

2018年6月27日更新

2018年1月 ハチドリが飛んできたのですが?

庭の花にハチドリが飛んできました。スズメよりずっと小さくて、翼が見えないほど早く羽ばたき、空中を前後左右に自由自在に動きながら花の蜜を吸うようすは、テレビで見たのとそっくりでした。ですが友達に話しても、ハチドリは外国の鳥だよと、取り合ってくれません。私が見たのはハチドリではないのでしょうか?

ハチドリを観察したと思われて、びっくりされ、また感激されたことと思います。ですが、残念ながら、ご覧になった生きものはハチドリではないでしょう。

ハチドリは、大きめのハチほどしかない小さな種もいて、花の蜜を専門に採食できるような体のつくりを持った仲間です。おっしゃるように、すばやく羽ばたきながら機敏に飛行し、空中に静止(ホバリング)して花の蜜を吸うのが特徴です。300種以上が知られていますが、分布は南北アメリカに限られており、日本には生息していないのです。

ドウイロハチドリ(コスタリカ、写真:高田令子氏)。300種を越えるハチドリの多くは全長6〜15cm、体重2〜5gで、最大のオオハチドリでも20gしかない。金属光沢のある鮮やかな色彩をしたものが多い。

地理的に分布していないという点に加えて、ハチドリの生態を考えたときに、花が一年中咲いていて蜜が常に手に入らないといけないということがあります。鳥は恒温動物ですので、体温を一定に保って常時活発に動き回れることと引き替えに、休みなく栄養を補給していないと生きてゆけません。日本の大部分の地域ではハチドリがいたとしても花がほとんどない冬を越せないでしょう。

この点に関連して、「ハチドリを見た」という問合せのある季節に偏りがあることも興味深い点です。山階鳥研にこの種の問い合わせが寄せられるのは、年に1回あるかないかですが、長期の実績を集計してみると、グラフのように9月から11月に集中しています。南北アメリカのハチドリでも高緯度地方に分布するものは冬は暖かい地方に渡るものもあるということですので、仮に冬に見られないことはおかしくないと考えても、花の沢山ある春先から夏には問合せが寄せられたことがない点が、まさに鳥ではなくて、毎年決まった時期に活発になるような別の種類の生きものが正体であることの状況証拠になっていると思います。

グラフ: ハチドリを見たという問合せの月別件数。山階鳥研広報担当における2008〜2017年の10年間の累計。観察地は、東京都が5件(うち不明の1件を除く4件が区部)、神奈川県茅ヶ崎市1件、兵庫県西宮市1件で比較的都市化された地域からの質問が多かった。山階鳥研の広報には年間に500件を越える各種問合せが寄せられるが、月ごとの件数に極端な増減はない。

実際に、日本でハチドリに似て見える昆虫がいることが知られています。スズメガ科というグループに属するガの仲間です。ご覧になった「ハチドリ」も、よく観察すると、鳥にはない触角が見えたのではないかと思います。蜜を吸う口も、ハチドリなら嘴(くちばし)は柔らかくは見えませんが、ガですから、とても細く柔軟な、ぐるぐると巻き取る方式の「口吻(こうふん)」だったことがわかったでしょう。

生け垣のアベリア(ハナゾノツクバネウツギ)の花に飛来したホシホウジャク(2015年10月3日、東京都台東区上野公園)

季節的なことも含め、日本蛾類学会会長の岸田泰則さんにうかがったところ、次のようなコメントをいただきました。

「ハチドリに間違えられるのはガの仲間のうち、スズメガ科のホウジャク類というグループだと思います。漢字ではまさに『蜂雀(ほうじゃく)』と書きます。都市部でも数種類のホウジャク類が分布していますが、一番多く、一般の方が見かけるのはホシホウジャクだと思います。このホシホウジャクは、南の地方から移動してくるようで、秋になると個体数が増えます。その理由や詳しいことはよくわかっていませんが、秋になると、アベリアやその他の多くの花に吸蜜に訪れる姿が都市部の公園でも見られますね。」

生花店の花に飛来したホシホウジャク。長い口吻と、頭部から左右に伸びた触角が見える(2017年10月7日、神奈川県川崎市、写真:中村恵美氏)

ハチドリはやはり、テレビの中以外では、アメリカ大陸に出かけて観察するしかないようです。残念でしたが、これからも野外のいろいろな生きものに関心を持って接していただければうれしいです。

(まとめ・平岡 考・広報コミュニケーションディレクター)

2016年9月 台湾のフクロウ類の目玉模様の意味は?

台湾にバードウォッチングに行ったときに、ヒメフクロウという小型のフクロウを観察しました。この鳥の後頭部には目玉のような模様があり、後ろ向きの姿を見て、最初は、こちらを見ているのだと信じてしまいました。人間も騙されるこの模様にはなにか意味があるのでしょうか?

ヒメフクロウの後ろ姿(上)と振り返って顔を見せたところ(下)(2016年1月、台湾太魯閣(タロコ)渓谷)

目玉模様は、チョウやガの翅(はね)、また魚の尾びれ近くなどにもあり、古くから生物学者の関心を集めてきました。ヒメフクロウの属するスズメフクロウ類(Glaucidium属)は世界に30種以上分布し、目玉模様のあるものとないものがいます。ここでは、スズメフクロウ類をはじめとした猛禽類の後頭部の目玉模様について検討した論文()をもとに、どんな説があるかをご紹介します。

言葉の説明ですが、以下に出てくる「モビング(擬攻)」というのは、小鳥類などの鳥類が、フクロウ類やタカ・ハヤブサ類などの、潜在的な捕食動物にわざわざ近づいて、群れて騒ぎ立てる行動をいいます。モビングには、捕食動物に攻撃をあきらめさせる、追い払う、さらに経験の少ない若い同種個体に危険な捕食動物を教える効果があるといった説があります。きわどい安全圏から捕食動物にまとわりついてはやしたてるのですが、ときに逆襲にあい、捕食されてしまうこともあります。

この論文で検討されている、目玉模様の存在理由についての仮説は大きく分けて、身を守るためというものと、餌を採るためというものに分けられます。身を守るためというのは、たとえば、もっと大きな猛禽類がスズメフクロウ類を襲おうとしたときに、目玉模様があることで、自分が見られている、気づかれていると思ってあきらめる効果が期待できるというものです。あるいは、モビングの場合も同じですが、攻撃する側が、目玉模様にまどわされて間違った方向から攻撃することになり、攻撃の効果が減少するということも考えられます。

一方、餌を採るためというのは、ひとつには、小鳥類にわざわざモビングをさせて、すきを突いて小鳥を捕食するためということです。小鳥類がフクロウ類をモビングするときは、安全のためにフクロウ類の後ろからモビングします。目玉模様によって、通常後ろからモビングする小鳥類が、間違えて正面から来れば、フクロウ類にとっては不意をついて捕食するチャンスが生まれることになりそうです。餌を採るための第二として、小鳥類は自分のヒナが近くにいる時に激しくモビングするので、フクロウ類としてはその激しさから、餌になりやすいヒナが近くにいそうかがわかり、どこで狩りをすればよいかの判断材料になるという推測が成り立ちます。

このうち著者らは、身を守るためという説より、餌を採る助け、つまりモビングを誘うことで小鳥類を捕食することができるという説がよりありそうだと述べています。その理由のひとつは、スズメフクロウ類は、開けた環境に生息する種が小鳥を多く捕食し、かつ目玉模様がある一方、森林に生息する種は小鳥を捕食する割合が少なく、かつ目玉模様がない傾向があるということです。目玉模様のある種は昼行性で開けた環境に棲み、しばしば目立つところにとまるなど、日中に目立つかたちで狩りをすることが知られており、小鳥類のモビングを誘っているという仮説によくあうのです。

しかしこの結論は状況証拠からの推論に過ぎず、直接の証拠で確かめられたものではありません。著者らは最後に、今後、模型による野外実験や、実際の狩りの場面で何が起こっているかの観察事例の蓄積が必要だと結んでいます。

(注)Negro, J. J. et al. 2007. Deceptive plumage signals in birds: manipulation of predator or prey? Biological Journal of the Linnean Society, 90: 467-477.

2013年3月号 カラスのおでこの形は頭の骨の形ですか?

ハシボソガラスとハシブトガラスを見分けるのに、おでこがなだらかだとハシボソガラス、でっぱっているとハシブトガラスだと教わりました。ですが、でっぱっているはずのハシブトガラスでもそう見えないこともあります。そもそもおでこの形はこの2種の頭骨の形の違いを反映しているのですか?

ハシブトガラス。本種は嘴が太く、嘴峰(嘴の上縁の輪郭)が強く湾曲しているほか、額がでっぱって見えることが多い。

ハシボソガラス。本種は嘴がやや細めで嘴峰の湾曲はきつくなく、額はなだらかに見えることが多い。

ハシボソガラスとハシブトガラスは、体が黒いカラス類の中で日本でもっとも普通な2種で、そのため、両種の見分けはバードウォッチングの手ほどきを受けるさいに一番最初に教わる知識のひとつのようです。

両者の見分けのポイントとして、おでこを見なさいということは多くの図鑑に書いてあり、また実際探鳥会指導の現場でもしばしば言われます。たとえば手元の図鑑では、「上嘴はある程度、湾曲している。額は出っぱらない」(ハシボソガラス)、「額が出っぱり、嘴は太くて、上嘴の先は著しく湾曲している」(ハシブトガラス)として、嘴の太さと共に額のでっぱりを識別点としてあげています。(

実際に野外で観察する時も、嘴の太さはしばしば判断に迷う場合があり、むしろおでこのでっぱりのほうが見やすい場合が多いものです。ですが一方で、とくにハシブトガラスで、おでこがでっぱっていない状況を見ることがあり、「おや?」と思う場合もあることは多くのウォッチャーが経験ずみでしょう。

左)頭部の羽毛をねかせたハシブトガラスと、
右)頭部の羽毛を立てたハシボソガラス
実はカラスたちは頭の羽毛を立てたりねかせたりできる。

今回の質問をいただいて、カラス類の骨格の研究を進めている山﨑剛史研究員にカラスの頭骨を見せてもらいました。画像を見てください。ハシボソガラスとハシブトガラスは、嘴の太さ、嘴峰(上嘴の上縁の輪郭)の湾曲に大きな違いがありますが、嘴のつけねより後ろの部分の形はほとんど区別がつかないほどよく似ています。

2種の頭骨 我々が普段見る嘴は、この骨の上に角質(ヒトの爪を作っている材質)の鞘がかぶっている。両種を比較すると、上嘴の太さには明らかな違いが見られるが、額の部分の傾斜の違いはごくわずかなことがわかる。

ご覧のように、この2種のおでこのでっぱりの違いは頭骨の形によるものとはほとんど言えないことがわかりました。おでこの輪郭の違いはおもに頭部の羽毛を逆立てているかどうかによっているのです。その証拠に、ハシブトガラスでも羽毛をねかせて額がなだらかに見えるときもあり、ハシボソガラスでも羽毛を立てておでこがでっぱって見えるときがあります。

(文・写真 平岡考)

(注)高野伸二著『 フィールドガイド日本の野鳥 増補改訂版』日本野鳥の会(2008年)

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2011年3月号 ボートレース場に大群で飛来した鳥は?

群馬県みどり市のボートレース場で、ナイター照明でレース中に水面に鳥が沢山飛来し、レースを一時中断する事態になりました。ボートにぶつかって死んだ鳥もいるのですが、何という鳥かわかりません。再発防止のために取れる対策はあるでしょうか。

ボートレース場に飛来したアカエリヒレアシシギ(画面下方の白い点)(写真は2点とも桐生ボートレース場提供)


電子メールで送られてきた画像を見るとアカエリヒレアシシギという外洋性の海鳥でした。ヒレアシシギ科に属するこの鳥は、スズメよりやや大きい程度の小さな鳥です。外洋を航行する船に乗ると、海面近くを紙吹雪のように飛ぶ群れを観察することができます。ボートレース場の方の談話にある水面での行動は外洋で観察できる典型的なアカエリヒレアシシギの行動のように思われます。

アカエリヒレアシシギは、渡りの時期に悪天候に遭うと、内陸に群れで入り込むことがあり、野球のナイター照明などにぶつかった事例が過去にも知られています。古い事例ですが、東京都文京区の後楽園球場が現在の東京ドームのように屋根付きでなかった頃、ナイター照明に鳥が飛来して試合が中断した事例で、種名がわかる4例のうち、3例はアカエリヒレアシシギのものだったそうです(高野伸二「原色・自然の手帖 野鳥」)。今回の飛来当日も前線が本州を南下し、荒れ模様だったため、内陸に迷行したものでしょう。

アカエリヒレアシシギの内陸迷行は天候に左右され、場所も日付も予測が困難で、頻度も低いため対策は立てようがないと思われましたので、そのように回答しました。

アカエリヒレアシシギは、ユーラシアと北アメリカの北極地方で繁殖し、熱帯の海洋で越冬します。日本には主に春と秋の渡りの時期に海上で見られますが、内陸の水面にも入ることがあります。

桐生ボートレース場(関東開発(株))企画課担当者の談話

飛来当日の2010年9月23日は、14時30分に第1レースがあり、最終の第12レースは20時40分ごろ終了しました。ボートは直線で時速80kmほど出ます。1回のレースで水面を3周し、約3分かかります。16時30分にナイター照明を点灯、鳥は17時50分ごろ飛来しました。目視による概数ですが1000羽ほどいたようです。水面に集まって着水するので、レースへの支障を防ぐためレースの合間に2隻ほど船を出して追い払おうとしましたが、船が近付いてもぎりぎりまで飛び立たず、船が通りすぎると着水してしまいます。

レースの合間に船を出すと、引き波が立ってかえってレースに支障が出るので、結局鳥がいるままレースをすることにしました。レースの間、鳥は飛びたっては降りるのを繰り返しました。高速のボートが近付いても直前まで飛び立たないので、ボートに入ってしまう鳥もおり、水面上にも少数の死体が落ちていました。9羽の鳥を回収、6羽が死亡しており、3羽は生きていました(うち1羽は翌日死亡)。最終レースの終了後、ナイター照明を消灯し、その後鳥がどうなったかはわかりません。翌日朝にはいませんでした。その後は飛来はありません。ボートレース場は2010年で54年の歴史がありますが、過去にこういう事例があったということは聞いたことがありません。

ボートに衝突したアカエリヒレアシシギ

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2009年3月号 朝青龍が使っている薬効のある鳥は?

大相撲初場所で優勝した朝青龍は、肘の故障の治療のため、モンゴルの伝説の鳥「ホイログ(ホイロク)」のスープを飲んでいたそうです。漢方薬のような効能のある鳥だそうですが、何という鳥ですか。

大相撲初場所も後半戦に入ったある日、マスコミから広報室に右のような内容の問い合わせの電話がかかってきました。わかりませんという答えをして電話を切ったのですが、たまたまモンゴル国立大学の鳥類研究者スンデヴ・ゴンボバートルさんが来日していることがわかり、会う予定がある所員に頼んで、聞いてもらいました。

ゴンボバートルさんによると、ホイログはセッケイだそうです。セッケイは漢字で書くと「雪鶏」で、英名のSnowcockと直訳の関係にあるようです。キジの仲間で、アジア中央部の高地に5種が知られており、いずれも体型はニワトリに似てどっしりとした体と頑丈な脚をしています。モンゴルに分布するのはこのうち、アルタイセッケイ(右図)です。図鑑によると全長約57センチ、オスの体重は約3キログラムといいますから、日本のキジの2〜3倍も重い大きな鳥です。高い木が生えないけれども万年雪には覆われていない、標高の高い荒れ地に生息するそうです。

ゴンボバートルさんの話によると、薬効はチンギス・ハーンの時代から信じられており、それを食べた兵士の肉もまた傷に効くと信じられているそうです。入手が困難で、一般には狩猟できないが、傷の治療目的での狩猟が認められるとのことでした。山階鳥研にある図書でも、デル・ホヨほか(編)の世界の鳥類ハンドブックという本に「チベット医学()で以前に増して使用されるようになったと考えられている」という記述が見つかりました。標高の高い厳しい環境に生息しており、手に入れづらいところはいかにも御利益がありそうですね。

(注)分布から考えて、「モンゴル医学」の誤りでしょうか。

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2008年3月号 アホウドリはどこに行けば会えるの?

大好きな『やん坊にん坊とん坊』のお話に出てくることから、幼稚園のクラスの子供たちがアホウドリに関心を持ちました。いろいろ調べるうちに、『アホウドリが見たい』という声があがり、『鳥島に見に行こうか』という話になりましたが、多くの子どもが『火山が噴火したらこわいからいやだ』と言っています。もっと身近にアホウドリを見ることができないかをうかがいたく、手紙をお出ししました。

ご紹介したのは、2007年10月に届いた、東京世田谷区の和光幼稚園の星1組の園児の皆さんの質問に添えられた、担任の中澤彩子先生のお手紙(写真1)のあらましです。

広報室(当時)からの返信です。
広報室からは、鳥島以外でアホウドリに必ず会える場所はないこと、鳥島はアホウドリを守るために島そのものが天然記念物になっているため、特別な許可がないと上陸できないことを、ひらがな書きの手紙で伝えました。また、所員は鳥島に15年以上通っていて大きな噴火にあったことはないので、そんなに心配はいらないこと/それでも地面は温かくて、アルミホイルに包んだカボチャを埋めるとほくほくおいしい温泉カボチャができること/現在、噴火の心配のない小笠原の聟島という島に安全な住み場所をつくろうとしていること/鳥島近海を周遊する「クルーズ」の豪華客船に乗ればアホウドリは見られるが、みんなのお小遣いでは乗れそうもないことも追記し、「あほうどりにあいにゆくのは、みなさんがもっとおおきくなるまで、おあずけといういうことになりそうです。」と結びました。

しばらくして、折り返しお手紙をいただきました。先生のお手紙のあらましです。
「『てがみくるかなー』と、とても楽しみに待っていましたので、手紙が届いた日はクラス中、大騒ぎでした。

子どもたちは、地面の熱でカボチャがやわらかくなるというところが一番驚きだったようです。豪華客船におこづかいでは乗れないというところでは、『のれるよー!せんえんもってるもん!』『ぼくもー!』という声がたくさんあがっていました。また、もし噴火してしまったら山階鳥類研究所の人たちが危ないということも心配していました。

一番落胆したのは、『アホウドリには会えない』ということでしたが、『じゃあどのくらいのおおきさか作ってみたい』という声があがり、子どもたちと翼のさしわたしが2.4メートルのアホウドリをつくりました(右写真)。本当にびっくりする大きさでよけいに見てみたくなってしまいました。毎日のように数人で抱えて飛ばせている子供たちです」

アホウドリの心強い味方ができたようです。楽しい写真(写真2)も送っていただきました。星1組の皆さん、これからもアホウドリのことを忘れずに応援してくださいね。

写真1 星1組のこどもたちから広報室へ届いた手紙

写真2 星1組のこどもたち

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2007年7月号 パイロンで営巣したシジュウカラ

大学の門に置いてある車よけのパイロン(円錐標識、コーン)にシジュウカラが巣を作りました(写真1)。珍しいでしょうか。

シジュウカラはもともと樹洞営巣性といって、木のうろに巣を作る習性の鳥で、人工の巣箱をよく利用する鳥として知られていますが、ほかにもさまざまの人工的な空洞に巣を作った例が知られています。編集者は、写真の例以外に、10年程前にもパイロンの例を見せていただいたことがありますし、ブロック塀での営巣(写真2)も観察したことがあります。文献(注)には、ほかに横倒しにした焼酎のかめ、伏せておいた植木鉢などの例が挙げられており、適当な空洞があればいろいろのものを利用することがわかります。ことによるとこれは、現代では樹洞のあるような大木が少ないことも一因なのかもしれません。

また、シジュウカラに限りませんが、自然の樹木等で営巣する際も、人間のすぐそばで平気で繁殖する例をしばしば耳にするようになりました。以前は野鳥の巣を見ると捕まえようとする子供などが必ずいたものでしたが、近年はそういった人がいなくなったことが原因なのでしょう。

写真1 矢印の赤白のパイロンの中にあり、鳥は頂点の穴から出入りしていた。守衛さんによると黄と黒の棒は営巣発見後設置したもの。5月19日におそらく4羽巣立ちしたとのこと(2007年5月13日 千葉県・東京大学柏キャンパス)

写真2 ブロック塀の中に営巣して、上面の穴から餌を運んでいた例。この例は巣立ちまで行かなかった(2001年5月5日 千葉県我孫子市内)

写真3 シジュウカラの自然樹洞での営巣。シジュウカラに限らず、頻繁に人通りのある場所の、人の手の届くような高さでの営巣例を特に都市部や住宅地でしばしば聞くようになった(1999年5月21日 東京都千代田区内幸町交差点)


(注)浦本昌紀(1966)「鳥類の生活」紀伊国屋書店

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