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 下村兼史(1903-1967)は、日本の野鳥生態写真の先駆者である。19才(1922年)より晩年まで、自然にあるがままの野生生物にレンズを向け写真や映画フィルムに記録し、鳥類標本による分類学とは異なる野外鳥学の研究発展に貢献した。下村の足跡は、北は北千島から南は奄美大島、小笠原諸島におよんだ。

 27才(1930年)で日本初の鳥類生態写真集を刊行して以来、フィールド活動と並行してほぼ毎年、自ら図版を描く日本産鳥類の図鑑や野鳥観察撮影紀行などの著書を世に送りつづけた。また、野鳥生態写真史の黎明期に、数多の後進に影響を与えた。

 36才(1939年)から自然科学映画やセミドキュメンタリー映画の演出・監督として映画製作に打ち込み、名作品を世に残した。

  写真や映画作品、著作を通じて野鳥や自然への関心を一般に広めた功績は大きい。制作活動の根底に下村の自然に対する愛情があり、鳥や自然に対する情熱は、64才(1967年)で生涯を終えるまで冷めることはなかった。

  詳しい年表と作品リストは次のリンク先からpdfファイル(2017年3月21日更新)でご覧ください。





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