アホウドリ 復活への展望 2026年8月3日掲載
2026年2月から3月に鳥島で実施された、アホウドリ繁殖状況のモニタリング調査の結果、鳥島のアホウドリ個体群は11,067羽と推定されました。
鳥島全体で2025-26年の繁殖期に確認された総ヒナ数は1,591羽でした。繁殖に参加しているペア数は2,114ペア(4,228羽)、非繁殖個体(6歳以下の若鳥)は5,248羽とそれぞれ推定されました。昨年からの増加率は12.1%、過去15年間の平均増加率は9.2%となりました。
一度は絶滅したと考えられたアホウドリですが、1951年のアホウドリ再発見後、繁殖地の整備やデコイ作戦によってはじめて1万羽を超えるまで回復しました。
本報告について、6月8日にプレスリリースを行いました。
アホウドリは、環境省レッドリスト絶滅危惧II類(VU)に選定されています(注1)。絶滅危惧種からはずれるには、繁殖地の状況が改善されることが必要です。国際的なアホウドリ保全チームが設定した準絶滅危惧種へのダウンリストの条件は、①繁殖するペア数合計750以上、②少なくとも3つのコロニー(島)で3年間の平均増加率が7年間以上にわたり6%以上、③少なくとも2つのコロニーは鳥島以外にあり、最低50ペア以上の繁殖が各コロニーで見られることとされており、一部は達成していますが、まだ道半ばです。達成に向けて、鳥島での良好な状態を維持しつつ、聟島での保全活動を強化する必要があります。聟島も着実に繁殖地復活への歩みを進めているところです。今後も継続した保全活動、モニタリングの実施が不可欠です。
また、近年、尖閣諸島のアホウドリは鳥島のアホウドリと別種レベルで異なることが判明しました。今後の課題として、それぞれの独自性を保つように保全する必要があり、ダウンリストへの条件も含めて、保全施策の再検討が必要です。
注1)環境省(2026): 第5次レッドデータブック:絶滅のおそれのある日本の野生生物鳥類. 環境省, 東京.
