お知らせ

2012年11月8日更新

ツバメの巣の調査について(途中経過)

福島第一原子力発電所の事故で放出された放射性物質の鳥類への影響調査の一環として行っている、ツバメの巣の放射性物質汚染状況に関する研究の途中経過をご報告します。

「山階鳥研NEWS」2012年1月号やウェブサイトでお願いしましたが(→ ツバメの巣回収ご協力のお願い)、山階鳥研では、福島県を中心に日本各地で2011年の繁殖に使われたツバメの巣を収集しました。皆さまのご協力の結果、全国から205巣(福島県内から104巣)を収集することができました。

現在これらの巣について国立環境研究所に依頼して巣に含まれる放射性物質の測定を行っています。現在までに93巣について放射性セシウム(Cs137)を測定したところ、放射性物質の飛散予測で汚染が高かったとされる地域では濃度の高い巣がみられました。しかし同じ地域から採集された巣でも濃度にはばらつきが見られたことから、地域間での比較にはさらに測定を行う必要があると考えています。今後は未計測の巣について引き続き測定を行うとともに、経年変化の調査や、繁殖個体数、一腹卵数(一回の繁殖で産む卵の数)や雛数などの生態への影響があるかどうかも調査する予定です。

上記の途中経過は、9月15日に東京大学で開催された日本鳥学会2012年大会で発表しました。この研究は三井物産環境基金2011年度東日本大震災復興助成を受けて実施しています。

(山階鳥研NEWS 2012年11月号より)

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