5.2.6 処分方法


 捕獲を行えば必ず後始末としての処分が必要となる。捕獲を行う前にあらかじめ処分方法を考えておく必要があるが、PCO専門業者と契約して防除を行っている場合はこの限りではない。法的手続が済ましてあれば、捕獲ドバトの処分は申請者の自由であるが、都道府県の鳥獣担当官の指示を受け、第三者より非難を受けない方法で処分を行うとよい。

a.殺処分を直接行わない場合

1)他の都道府県に運搬し放鳥する。
 3.2.3で述べたように、ドバトも帰巣性があり一部は帰還する。しかも、放鳥地に定着するドバトも多く、被害を他に持ち込む結果となるので薦められない。

2)保健所に持ち込む。
 ハト対策について捕獲前に相談し了解を得れば処分してもらえる場合があるが、定期的、大量の場合は断られる時もある。指定された日に持ち込む。

3)業者に処分を委託する。

4)実験動物用、食用、教材用等、有用な引き取り先を当たる。
 現在、実験動物用のドバト使用(ほとんどが伝書鳩を使用)は減少傾向にあり(表5.6)、食用は、鳩を食用にする習慣のない日本から外国へ輸出するということも、価格の面で現状では難しい。

表5.6 ドバト使用羽数の変化
(1960年度はハト・ウズラ・十姉妹・アヒルの合計羽数) (単位:羽)
調査
年度
大学
公的研究所
病院・
療養所
企業
その他
アンケート
回収率%
医・歯・薬
農学部
理学部
文・教・家
付属
研究所
  国  
地方
自治体
法人
1956 3,386 72.5
1960 1,487 315 0 0 8 96 2 0 2 2,887 700 5,497 82.9
1970 170 140 15 133 4 0 0 2,590 0 3,052 67.4
1975 179 464 0 33 3 0 158 20 0 377 0 1,234 69.5
出所 1956: 日本実験動物研究会−安東洪次(1958):わが国の実験動物の現状について、実験動物 7:3-8
1960: 日本医学会・動物実験現状調査会(1960):日本における実験動物の現状
1970: わが国における実験動物の生産・供給についての調査・研究班(1973):実験につかわれた動物種ならびにその数−1970年度の調査結果から−、実験動物 22:307-340
1975: 文部省科研費特定研究「実験動物の純化と開発」実験動物使用数調査班(1978):1975年度に実験に使われた動物の数、実験動物 27:37-48

b.殺処分を直接行う場合
 動物保護及び管理に関する法律第10条により、できる限り苦痛を与えない方法を採用しなければならない。安楽死法として次のような方法がある。

1) 炭酸ガス吸入
 ポリ袋に入れ炭酸ガスで密封する。2分後に炭酸ガスを入れ換え、合計5分以上吸入させる。窒素ガスを使用しても同様の効果が得られる。

2) エーテル吸入
エーテルを浸した脱脂綿をドバトが入った密封容器の中に入れる。

3) ペントバルビタール注射
 100mg/kgを腹腔内に注射する。

4) 頸椎脱臼法
 親指と人指し指で頭骨をうしろから押さえ、首をひねりながら喉の部分をそらして引っ張ると、頸椎がはずれ即死する。熟練を要するが費用がかからない。



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