4.3.1 ドバトの繁殖


 ハト類はピジョンミルクでそのヒナを育てることから、他の穀物食の鳥類に比べて繁殖期に昆虫等の餌をとる必要がなく、餌確保の上では有利であり、他の条件さえ整えば年間にわたる繁殖が可能である。この生理的な特性はドバトの繁殖活動にとって無視できない。後述するように、ドバトは年間にわたって繁殖活動をつづけている。一般に番当りの繁殖回数が多く、これが個体数増加に関係しているといわれるが、すべての番が連続して繁殖しているわけではない(3.3.5参照)。

 平塚の農村部の結果のように、塒数約20羽に対し、1例では繁殖番数は1〜3番で、年間巣立雛数10羽、他の例では2番で同じく8羽程度であったし、Murton らの Salford Docks の報告では群数の約20%が繁殖に参加し、群全体での巣立雛数は0.6羽/羽であるという 6)
 ドバトの繁殖は、番によって年間の繁殖回数が異なり、群に対する繁殖参加番数の割合も関係してくる。個体数増加の上からは、今後の調査に期待したい。



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