2.3.2 ドバトの害


 ドバトの特徴は、その生活のほとんどを人間の社会に依存していることにあり、採餌・塒・営巣などの行為は必然的に人間の生活・健康・産業などに加害もしくは被害を起こす。しかし、損害があるかどうかは当事者同士及び第三者によって異なって認識される。ましてこの損害が許容量を超えたものかどうかは簡単には決まらない。しかし、実際に手間と費用をかけて駆除が行われていることから考えると、当事者にとってはがまんできない状況になっているといえる。ところが当事者以外にとっては、損害に対する認識がほとんどされていない。

 現在の都市環境の中において、ドバトが何らかの損害を及ぼしていることは否定できないが、このような状況に至った原因は、ドバトよりも人間の側にあり、損害があるという工場・倉庫あるいは都市の構造自身が、ドバトの個体数を増加させ害を引き起こす大きな要因になっている。



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