2016年 新年のご挨拶

2016年1月5日掲載

壬生基博写真日頃より、山階鳥類研究所にご支援を賜り厚く御礼申し上げます。

ご承知の通り、山階鳥類研究所は秋篠宮文仁親王殿下を総裁に戴く、日本最大の鳥類専門研究機関で、前身の山階家鳥類標本館から84年の歴史を重ねてきました。現在は7万点の標本・4万冊の貴重な図書資料・500万件の鳥類標識調査データなどを所蔵しています。

当研究所は鳥類の研究を通じて、自然や環境保全に貢献してきております。鳥はもっとも環境に影響されやすい生き物で、自然のバロメーターであり、環境の指標とされています。昨年はアホウドリの小笠原再導入プロジェクトで、成果をおさめることができました。そして、普及事業として我孫子市鳥の博物館で「アホウドリ展」を行い多数の来館者があり好評でした。その他ヤンバルクイナ・コウノトリ・トキなどの日本における鳥類の保全活動に対し、いろいろな形で研究員が関わって協力してきております。また、我孫子市で開催された日本最大規模のジャパン・バード・フェスティバルにも参画しました。これは地方の行政や地元・地域の方々と民間の鳥に関わる団体や鳥の愛好家の方々が一体となって開催するユニークなイベントで、海外からの参加も増え、日本全国に発信されたことは大変有意義なことと考えております。

昨年の賛助会員の集いは四国地区、中国地区、関西地区で開催され、多数の賛助会員の方々のご支援に感謝申し上げます。今年は中部地区、九州地区、関東地区の開催を計画しておりますので、よろしくお願いいたします。

研究保全活動としては文部科学省からの科学研究費や環境省からの受託事業はじめさまざまな補助金や助成金などを受けながら続けてきております。

しかし、標本や資料などの維持管理や運営に関する財源については、皆様からの寄付や会費収入に頼っているのが現状です。これらの活動を継続していくために、引き続きご負担をおかけしますが、ご理解戴き、物心両面のご支援をお願い申し上げます。

本年の皆さまのご多幸をお祈りします。

山階鳥類研究所 理事長 壬生基博

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