最新の話題バックナンバー
(2005年3月11日更新分)


対馬・見島で渡り性陸鳥類 鳥インフルエンザ調査
   
捕獲した野鳥から検体を採取する柿澤副所長(左)

 山階鳥研では環境省の委託を受けて、昨年11月と12月にそれぞれ長崎県の対馬と山口県の見島で、高病原性鳥インフルエンザの保有状況の調査を行った。主に渡り性の陸鳥類から採取した217検体を鳥取大学で分析したが、インフルエンザウイルスは検出されなかった。 (山階鳥研NEWS 2005年2月1日号より)


ベビー・ラッシュ!!鳥島初寝崎 アホウドリ4羽の孵化を確認
  
  
鳥島初寝崎で今年1月に孵化した4羽のアホウドリ
左上から反時計回りに、従来からの繁殖番いと、調査員たちがN1、N2、N4と仮称している巣の雛
(2005年2月山階鳥研の鳥島調査隊が撮影)


 山階鳥研が環境省の委託で絶滅危惧種アホウドリの新繁殖地形成に関する事業(通称「デコイ作戦」)を行っている伊豆鳥島の初寝崎で、11月に産卵された4卵すべての孵化が確認された。これらの卵については、(株)NTTドコモの提供による衛星通信を用いた無人監視カメラによって、1月のうちに、カメラから見えない位置にある1卵も含め、すべての孵化が推定されていたが、2月16日に同島に上陸した山階鳥研の調査隊によって実地に確認された。デコイを設置した区域の周辺では、アホウドリの非繁殖個体の着地も多数見られおり、来年以降の繁殖に一層の期待が持たれる。 (山階鳥研NEWS 2005年2月1日号および3月1日号より)  



太平洋ミッドウエイ環礁 アホウドリ類調査に参加

ミッドウエイ環礁でのコアホウドリの集団繁殖のようす
 昨年月から今年1月にかけて行われた太平洋上の海鳥繁殖地であるミッドウエイ環礁のコアホウドリ・クロアシアホウドリの繁殖個体数調査に山階鳥類研究所から研究生の出口智広が参加した。全世界における両種の個体の大半がこのミッドウエイ環礁で繁殖を行う。調査は米国魚類野生生物局によって1991年から実施されている。 (山階鳥研NEWS 2005年2月1日号より)


希少鳥類研究 成果発表会を開催

羽毛のDNA研究について発表する浅井研究員
 山階鳥研では、2月1日、文部科学省科学研究費を受けた「希少鳥類の生存と回復に関する研究」の今年度の研究成果発表会を開催した。また翌2日には研究調整会議を開き、この研究の評価をお願いしている所外研究者の方々に、今年度までの研究の評価と今後の研究の方向づけについて討議していただいた。両日の催しには総裁の秋篠宮殿下が出席された。 (山階鳥研NEWS 2005年3月1日号より)



コウノトリが我孫子に飛来
 昨年12日25日から山階鳥類研究所の地元の千葉県我孫子市内の耕地にコウノトリ1羽が飛来して、バードウォッチャーや市民の注目を集めています。コウノトリは江戸時代には全国に分布していたとされ、江戸のお寺でも巣作りしていたそうですが、現在はロシアや中国で繁殖するものが主に冬に稀に渡来するだけで、環境省が2002年に刊行したレッドデータブック改訂版では、絶滅危惧IA類に分類されています。 (山階鳥研NEWS 2005年2月1日号より)


我孫子市に飛来したコウノトリ(2005年12月25日撮影)
(写真提供:我孫子市鳥の博物館)



西日本地区賛助会員の集いを開催しました
 昨年12月8日に「西日本地区賛助会員の集い」を広島プリンスホテル(広島市南区)で開催しました。集いには総裁の秋篠宮殿下がご臨席になり、190余名の会員の皆様にお集まりいただき、盛大に親睦のひとときを過ごしました。集いでは、理事長の島津久永が、財政環境の厳しい中での賛助会員の皆様のご支援に感謝し、今後とも引き続いてご支援をお願いしたい旨の挨拶をいたしました。所長の山岸哲からは研究の現状として、文部科学省の科学研究費を受けた研究に全力をあげているという報告をしました。その後、安田征史さん、木本薫さん、西尾真澄さんの三人の高額寄附者の方々に、総裁の秋篠宮殿下から感謝状が贈呈されました。 (山階鳥研NEWS 2005年2月1日号より)


長野で中部日本地区賛助会員の集いを開催しました
 1月25日に「中部日本地区賛助会員の集い」を長野ホテル犀北館(長野市)で開催しました。総裁の秋篠宮殿下のご臨席のもと、約250名の皆様にお集まりいただき、盛大に親睦のひとときを過ごしました。
当日は集いに先立ち、「鳥を見て人を知る」と題する講演会を開催し、中村浩志信州大学教授および山階鳥研所長の山岸哲によるふたつの講演を参加者の皆さんにお聴きいただきました。集いでは、理事長の島津久永の挨拶に引き続き、所長の山岸哲から研究の現状についての報告をいたしました。その後、当日の参加者の皆様からの寄付金の目録を島津理事長が頂戴しました。大変ありがとうございました。 (山階鳥研NEWS 2005年3月1日号より)


『遺伝』ヤンバルクイナ特集発売中
 『生物の科学 遺伝』2005年3月号
(29巻2号)
特集 ヤンバルクイナに明日はあるか
定価1680円(税込み)
発行元:裳華房

バックナンバーとして購入可能です
お近くの書店にお問い合せになるか、
裳華房(電話:03-3262-9167、
E-mail: info@shokabo.co.jp )まで。

2004年9月23日に山階芳麿賞授賞式・受賞記念講演と同時に開催したシンポジウム「沖縄山原に生きる−ヤンバルクイナに明日はあるか」の内容が雑誌「遺伝」の特集記事としてまとめられました。1981年に新種として記載された、沖縄島固有種のヤンバルクイナは、分布が急激に減少しており、緊急に保護対策を取る必要があると考えられます。日本の外来種問題のもっともホットな事例のひとつとしても重要です。ぜひご一読をお勧めします。

「…(ヤンバルクイナは)最近の研究結果によると、このまま手をこまねいていると、あきらかに近い将来トキの二の舞を演じる危険性のあることがわかりつつある。このような現状に直面し、山階鳥類研究所は社会的使命として、ヤンバルクイナを絶滅から救うために本シンポジウムを企画した。…この特集によって、『ヤンバルクイナを守るために、私たちは今何をするべきか』が提案できれば望外の幸せである。」(山岸哲「特集にあたって」より)

・特集にあたって−なぜいまヤンバルクイナか(山岸 哲)p.23
・ヤンバルクイナの発見から命名まで(真野 徹)pp.24-28 
・ヤンバルクイナの分布域と個体数の減少(尾崎清明)pp.29-33 
・ノネコ,マングースによるヤンバルクイナの捕食(伊澤雅子)pp.34-39 
・ヤンバルクイナの交通事故死(小高信彦) pp.40-44
・グアムクイナ保護の20年(ウェニンガー, P.[講演]/ 百瀬 浩[構成・執筆]) pp.45-49
・ヤンバルクイナを守るために,私たちはいま何をするべきか(山岸 哲) pp.50-54




ジョン・グールド「鳥の絵葉書」第16集
英国の鳥類学者ジョン・グールド著作の鳥類図譜から「鳥の絵葉書」第16集を作成しました。1セット600円で販売しております(送料別)。ご希望の方は事務局までお知らせください。
詳しくは刊行物へ。
 事務局 E-mail: bird@yamashina.or.jp

「山階鳥研NEWS」は山階鳥研の活動や鳥の話題を紹介した隔月刊行のニュースレターです。賛助会員にご入会いただいた方にお送りいたします。(賛助会員の入会はこちら
最新号の目次はトップページをご覧ください。



backこれまでの話題


Copyright 2002, Yamashina Institute for Ornithology. All rights reserved.