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2003年7月9日更新分)

ウミツバメの営巣地を保全
ウミツバメの営巣地に金網を設置
ウミツバメの営巣地に金網を設置。
金網のメッシュはウミツバメは入れて、
オオミズナギドリが入れない大きさになっている。
 今年3月、岩手県宮古市の1キロ沖にある無人島、日出島(ひでしま)でウミツバメの渡来前に営巣地の保全調査を行った。同島には地面に巣穴を構えるコシジロウミツバメとクロコシジロウミツバメ、オオミズナギドリの3種の海鳥が繁殖している。1980年代後半からオオミズナギドリの繁殖数が著しく増加し、同じ地域で繁殖しているウミツバメ類の巣穴を奪い、ウミツバメを減少させていることが、佐藤文男研究員らのこれまでの研究で判明した(詳しくは山階鳥類研究所研究報告第34巻2号に発表)。
 日出島は環境省のレッドリストで絶滅危惧II類に分類される希少なクロコシジロウミツバメの繁殖地として知られ、国の天然記念物に指定されている。また、西太平洋で唯一のクロコシジロウミツバメの集団営巣地であるため、営巣地の保全が重要であり、今後も調査を継続していく。
 この研究は文部科学省科学研究費補助を受けた「希少鳥類の生存と回復に関する研究」の一環で実施している。
(山階鳥研NEWS 6月1日号より抜粋)



普通種カシラダカが減少
カシラダカ
標識調査で捕獲されたカシラダカ
 標識研究室が、環境省の委託を受けて実施している鳥類標識調査の長年の記録から、普通種であるカシラダカが減少傾向にあることがわかりました。
 福井県の環境省織田山一級鳥類観測ステーションで、毎秋実施している標識調査の1973年から1996年までの24年間の記録を米田重玄研究員らがまとめて、山階鳥研研究報告第34巻1号に発表しました。この論文により、24年間で最も放鳥数の多いカシラダカ(ホオジロ科)の減少が顕著に示されました。
(山階鳥研NEWS 6月1日号より抜粋)



サントリー世界愛鳥基金からアホウドリ保護研究に助成
 去る5月8日、「平成15年度の公益信託サントリー世界愛鳥基金贈呈式」がサントリーホール小ホールで開催され、山階鳥研のアホウドリ保護研究など5団体が助成を受けました。贈呈式では、同基金の船後正道委員長(写真左)から山階鳥研の斉藤静志事務局長(写真右)に贈呈書が手渡され、鶴見みや古研究員が活動内容の紹介をしました。
(山階鳥研NEWS 6月1日号より)




バードウィーク手賀沼探鳥会 実施
 去る5月11日、恒例の「バードウィーク手賀沼探鳥会」を我孫子野鳥守る会、我孫子市鳥の博物館、山階鳥研の共催で開催した(写真)。当日は天気にも恵まれ97名が参加。手賀沼や周辺の水田や畑で22種の鳥を観察した。
この探鳥会は「エンジョイ手賀沼!」の一環で開催され、さまざまなイベントが催された。メイン会場の手賀沼親水広場は家族連れなど約4千名が訪れた。
(山階鳥研NEWS 6月1日号より)




蜂須賀正氏生誕百年記念シンポ 開催
 去る4月13日、絶滅鳥の研究で知られる蜂須賀正氏氏の生誕百年記念シンポジウムが、東京都豊島区の立教大学で開催された(日本生物地理学会・主催、山階鳥研、日本鳥学会・後援)。
 蜂須賀博士は生物地理学会創設者の一人で、沖縄本島と宮古島との間に鳥類において生物地理学上の違い「蜂須賀線」を見いだしたことでも知られている。1953年、50才で死去された。このシンポジウムでは、蜂須賀氏の生前の活躍についてのビデオを上映、親交のあった黒田長久名誉所長らが講演した。 (山階鳥研NEWS 6月1日号より)




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