6.1.5 衛生面における措置


 衛生面におけるパリのドバトの状況は満足すべきものではない。大部分のドバトは寄生動物とりわけシラミの宿主となっている。この他にも、ドバトは人間に感染する伝染病の貯蔵所となっている。

 1961年6月に「医学アカデミー」に発表されたレピーヌ教授の調査結果(パリのドバトの72%がオウム病ウィルスに感染)は、ドバトの感染がどんなにひどいかを示し、しかも、パリ住民中に観察された健康状態との関係を設定している。
 「清浄運動」の枠内において、ドバトの存在及び接触によるパリ住民への危険を評定する目的のため、細菌学的及び血清学的な系統的研究が「パリ市衛生研究所」で1969年以来行われている。

 1969年に実施された血清学的検査は、パリのドバトにおいて、オウム病がきわめて頻度の高い疾患であることを示し、ドバトの状態が改善されていないのみならず、人間の感染も6.3%から9.6%に上昇していることを示した。さらに、Salmonella typhimurium の感染流行を明かにし、さらに人間の Salmonellose の再流行が認められた。



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