第1回ジャパンバードフェスティバル2001 
「山階鳥類研究所 所長賞」受賞作品と受賞者のコメント
(山階鳥研NEWS 2002年2月1日号より)

 

ワイルドライフアート作品展
「寒い朝」 内藤貞夫さん・作

 

【コメント】 このたびは、山階鳥研所長賞をいただき、大変名誉なことと思っております。この作品、『寒い朝』は、私のフィールドである近所の東京練馬区・石神井公園の三宝寺池で、目にした情景を絵にしたものです。薄氷の張った冬の朝、池の岸辺で、ダウンジャケットのように羽毛をふくらませて、丸くなったキジバトの愛らしさと凜とした姿に絵心を感じ、この絵を作り上げました。どこにでも見られる、ありふれた鳥の絵に賞を頂いた事は、私にとって大変意義のあることと思っております。ありがとうございました。

 

全日本バードカービングコンクール作品展
「オオコノハズク」 田原英二さん・作

 

 

【コメント】 第1回目の記念すべき賞を頂き大変嬉しく又身に余る光栄と思っ思っています。しかし一方で私がこの賞を頂いて良いのかという戸惑いもあります。私の場合、作品に着手する半年ぐらい前からその鳥の資料集めをします。データ、図鑑、写真、剥製、生きている鳥を見ること等色々な機会をとらえてイメージを膨らませ、精度を上げて行きます。
 私は作品の中で鳥を表現するについて、科学的に正しくということを一つのベースに置きますが、後は工芸作品として自分のイメージで表現することを追求しています。従って科学的には80パーセント正しいかな、というのが本音です。私の科学的というのはその程度のことでお恥ずかしいことですが、今回の受賞はそれと工芸とのバランスを含めて評価して頂いた結果と考えています。
 逆説的ですがこの賞を頂いたことで、素人ながらもっと鳥を科学的に知るための努力をフィールドでデスクですることの必要性を痛感いたしました。2002年を迎えて、これからのテーマとして取り組みたいと考えています。今回の受賞でそのきっかけを与えて頂いたことに重ねて感謝いたします。本当にありがとうございました。

 


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