『けさの鳥』各紙で紹介されています


『けさの鳥』山岸哲(著)
田中光常ほか(写真)
朝日新聞社・2100円

好評発売中!!
●朝日新聞 2004年12月12日付
 落葉とともにバードウォッチング全開の季節到来。タイムリーな出版だ。
 写真が素晴らしい。北海道から琉球諸島まで、日本各地で記録された三百三十三種の鳥たちが得意のポーズを決めている。見るだに心が空に遊ぶ。
 生息地別の分類も大変ありがたい。絶滅が危惧(きぐ)される「希少(きしょう)な鳥」もさることながら、山地の鳥、草地の鳥、水辺の鳥、里の鳥と、大まかな分類が初心者に親切である。くわえて、二百字にも満たない一筆書きで鳥の「文化」を語るエッセイの素晴らしさ。
 『伊勢物語』にも登場する「都鳥」はユリカモメで、ミヤコドリはまた別の鳥だという。あるいは、「飛ぶ宝石」の名をもつカワセミ。漢字で「翡翠」と書くが、これは宝石が鳥に喩(たと)えられたのであって、その逆ではない。あっと教えられて、もう一度写真に見入る。黄と黒のダンディな羽色をしたキビタキは「東男」だとか。
 見ても読んでも実に楽しい図鑑である。
 山田登世子(仏文学者)
●信濃毎日新聞 2004年12月12日付
 つがいの仲の良さから「おしどり夫婦」の例えもあるオシドリ。実は毎年パートナーを変えることもあるなど、盛んに“浮気”をしているという。ブナ林を好むブッポウソウは、「仏法僧」と鳴く霊鳥としてこの名前が付けられたが、実際の鳴き声は「ゲッゲッゲッ」。ミミズクの仲間であるコノハズクの鳴き声と取り違えたらしい。
 本書は、二〇〇三年五月から一年間にわたって朝日新聞に連載した写真コラム「けさの鳥」の三百五十三回分(種)のうち、日本国内で記録されている三百三十三種を収録した。姿形や体色、鳴き声、生態など、鳥たちの豊かな多様性に圧倒される。
 山地、草地、水辺、里、希少の五つに分類。一種あたり百三十字という短い文章だが、単なる生態の解説にとどまらず、古典での描かれ方や諸説ある名前の由来など、内容はバラエティーに富む。今にもさえずりやはばたきが聞こえてきそうな写真も秀逸だ。
 著者は須坂市出身。京都大学大学院教授などを経て現在、山階鳥類研究所の所長を務める。


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