2004年9月23日開催 シンポジウム「〜沖縄山原に生きる〜ヤンバルクイナに明日はあるか」

シンポジウム開催の趣旨

財団法人山階鳥類研究所所長 山岸 哲

 この度、山階鳥類研究所はシンポジウム「〜沖縄山原に生きる〜ヤンバルクイナに明日はあるか」を企画しました。山階鳥類研究所がヤンバルクイナのシンポジウムを開催するのには大きな理由があります。それは、1981年に本研究所の創設者・故山階芳麿博士がヤンバルクイナの新種記載を行って、初めてヤンバルクイナが世に知られるようになったからです。それ以来、山階鳥類研究所はヤンバルクイナの生態研究を地道に継続してきました。そしてその研究結果から、ヤンバルクイナの生息が減少しつつあることを踏まえ、1995年に沖縄県宜野湾市でヤンバルクイナ・シンポジウム「研究・保護の現状と将来の展望」を開催し、ヤンバルクイナの未来に暗雲が立ちこめつつあることを広く社会にアピールしました。それから約10年、ヤンバルクイナを取り巻く環境が、ますます厳しいものになってきていることを最近の研究結果は明らかにしています。何の手も打たずにこのままにしておくと、ヤンバルクイナは近い未来に絶滅してしまうでしょう。ヤンバルクイナの危機的な状況はここまで来てしまいました。
 このような現状が明らかになった今、山階鳥類研究所の社会的使命としてヤンバルクイナを絶滅から救うために、本シンポジウムを企画しました。幸い環境省・文化庁・沖縄県を始めとする関係自治体、(財)世界自然保護基金ジャパン・(財)日本自然保護協会・(財)日本野鳥の会・(財)日本鳥類保護連盟を始めとする多くの関係保護団体の皆様のご理解をいただき、後援団体に加わっていただけることになりました。
 本シンポジウムでは、ヤンバルクイナの発見にまつわる興味深い話を、実際に新種発表にたずさわった真野徹さんから簡単に紹介していただき、ヤンバルクイナとはどんな鳥かを知っていただきます。続いて、本研究所が行ってきたプレイバック法の結果分析によるヤンバルクイナの分布域の急激な減少とその原因について尾崎清明さんにお話しいただきます。次に、ヤンバルクイナ減少の大きな要因と考えられているノネコ、マングースによる捕食の実態を伊澤雅子さんにお話しいただきます。また、個体数減少の一要因と考えられているヤンバルクイナの交通事故死についても小高信彦さんにご紹介いただきます。最後にグアム島に移入されたヘビのために、21羽まで減ってしまったグアムクイナを復活させるための20年間の活動をポール・ウェニンガーさんに語っていただきます。
 本シンポジウムの討論により、“ヤンバルクイナの生存のために、今私たちが何を為すべきか”を導き出すことが出来ればと考えております。

 

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