鳥類標識調査

仕事の実際と近年の成果

2010年4月10日掲載
2015年8月6日追記

オーストラリアのベニアジサシ回収続々 〜日豪を定期的に往来~

ベニアジサシが日本とオーストラリアの間を渡っていることが判明したのは7年前のことですが、この数年の調査で定期的な往来をしていることが確実になりました。

(山階鳥研NEWS 2009年11月号より)

今年8月1日には、沖縄県渡嘉敷村の無人島で行われた環境省モニタリングサイト1000の調査時に、尾崎清明保全研究室長らによって繁殖中の3羽のベニアジサシが捕獲され、装着足環からいずれも2002年1月9日にオーストラリア、グレートバリアリーフのスウェイン礁で足環を付けられた個体と判明しました。

今回判明したベニアジサシの移動

沖縄島周辺で繁殖する本種がオーストラリアで越冬していることは、日本の足環装着個体が2002年1月に同礁で捕獲されたことにより初めて確認されましたが、その後もスウェイン礁ではクイーンズランド州公園野生生物局の職員らによって継続的な調査が行われており、今年までに日本の足環をつけた本種が合計109羽記録されています。また、逆に日本ではこれまでに13羽のオーストラリア放鳥個体が捕獲されており、両地間の定期的な往来があることがわかりました。

スウェイン礁では白いフラッグも装着されているため、捕獲以外に観察や撮影での確認も可能で、沖縄島周辺のほかに、西表島、奄美大島、福岡県大牟田市の三池島などでも記録があります。

オーストラリアの足環とフラッグを装着したベニアジサシ (2009年7月31日沖縄県うるま市で撮影) この個体は再捕獲されずフラッグによる観察記録となりました。

尾崎室長は「ベニアジサシの越冬地の発見は、国境のない渡り鳥の生態を国際協力で明らかにした成果で、本種の保全にも重要な発見。」と話しています。

<2015年8月6日追記>
関連外部サイト 「ベニアジサシの渡りで判明した沖縄とオーストラリアの関係」(笹川平和財団海洋政策研究所ニューズレター 2006年4月20日 137号)

▲ このページのトップへ